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Cにつきまとう州知事時代からのもろもろの数多くの「疑惑」を、大統領退任後に再び蒸し返されないための、「権威づけ」が必要との不安心理がCに、このような異常な態度を取らせたのかもしれない。
議会の多数派をしめる共和党にしてみれば、C大統領の「大統領職」に権威を借りたいかにも弁護士らしいやり方に、おそらくムカツイたに違いない。
共和党は1996年を落としているので、2000年の大統領選挙には満を持して、総力戦をいどんでいたが、1999年の夏の時点で手答えは悪くないので、「政権奪回後の外交政策への下準備」に一部取りかかったのであった。
共和党の「政権奪回後の外交政策への下準備」は、「金」に関連した「国際通貨外交」だけではなかった。
1999年7月に、台湾のレ登輝総統が台中関係を、「国と国との特殊な関係」とドイツのラジオのインタビューで答えた。
台湾は1996年の大統領選挙に敗れたD元共和党院内総務を、すでに台湾のロビイストとして正式に政府に登録している。
李登輝の「2つの中国」の主張がなされたタイミングは、共和党が次期政権の奪回に大きな可能性がみえてきたときと、だぶっている。
だが、これは偶然の一致ではなく、綿密に共和党と李登輝との「外交の刷り合わせ」を行った結果であると、思われる。
2000年にはいると、B大統領候補は対中国政策について、Cの「戦略的パートナー」との位置付けから、「戦略的競争相手」と百八十度転換した位置付けをしている。
日本のメディアでは、B大統領候補のアドバイザーの口にする「日本重視」を額面どおりに受け止めた議論がしばしばみられるが、これは表面的な理解であろう。
彼らの口にする「日本重視」は、B新政権の外交の優先順位は「中国」にあるので、その文脈のなかでとらえるべきである。
ということは、B新政権の外交政策の最大の転換は、北京政府をこれ以上甘やかさないという「台湾重視」であるはずだ。
台湾こそ「戦略的パートナー」と位置付けるに違いない。
とすると、「日本重視」とは、「台湾重視」に派生ないし関連した意味での「二次的な日本重視」であろう。
このようなB共和党新政権の「新中国外交戦略」をみすえて、共和党の外交マシーンは1999年半ばより、「具体的な下地づくり」にとりかかっていたのである。
B共和党新政権のグランドストラテジーは、史上最長を記録した「独り勝ち経済」を、いかにプレを少なくして、「持続的発展」を可能にさせるか、にある。
それはまぎれもなくアメリカに絶対有利な「国際通貨システム」の構築であるはずだ。
より具体的にいえば、「逆N・ショック」と命名されるであろう「新金本位制」である。
「石油」に対する日本人の関心は希薄になってしまった。
日本では「石油はいつでも、好きなだけ市場でかえる市場商品」との認識が、蔓延してしまった。
ところが、アメリカは戦略的な国家である。
たえず、たとえ現状が安定的であっても、その前提条件の持続性に対する危機管理はおこたらない。
ここ数年、景気循環はなくなったかもしれないという「ニューエコノミー」論は、アメリカでもおおかたの支持を得るようになった。
GFRB議長が「ニューエコノミー」支持を鮮明にしてから、「生産性の向上への寄与」があるとのコンセンサスが高まり、「ニューエコノミー」論信奉者が急増した。
2000年、「石油価格3倍止の対サウジアラビア戦略「独り勝ち経済」の中身である「アメリカの実体経済」を持続的に成長させるためには、「石油」「ドル」「金」の3要因との関係では、まず、「石油」の「量」と「価格」をアメリカが支配し続けることが絶対に必要である。
そこでアメリカは、B新政権の「新中国外交戦略」への戦略的準備として、「1999年12000年の石油価格3倍化」を、演出することにしたのである。
とはいうものの、「ニューエコノミー」は、C・Gァ政権の「情報ハイウェー構想」の実施だけが基盤ではないのである。
この点が日本では十分に理解されていない。
多くの日本人「情報ハイウェー構想」「IT革命」「ニューエコノミー」と、短絡してとらえている。
だが、「ニューエコノミー」が2000年に開花できたのは、1990年代に、いわゆるオールドエコノミーが安定的に拡大路線を継続し続けたからであり、さらに、その背後には「石油の長期間の安定的かつ安値での供給」があったから、可能となったのである。
アメリカの「独り勝ち経済」を考えるとき、「石油の長期間の安定的かつ安値での供給」という基盤があり、その上に「オールドエコノミーの安定的な拡大」があり、これを基盤としてさらにその上に、「ニューエコノミー」がのっかっている全体構造を認識しないと、「アメリカ経済の強さの本質」を見誤ってしまう。
「ニューエコノミー」といわれているアメリカの「独り勝ち経済」は、ポリティカルエコノミーの発想から、「石油の長期間の安定的かつ安値での供給」という保険がかけらられたうえで、花が開いたのである。
この保険の相手はサウジアラビアであり、保険の中身はいうまでもない「ワシントン・リヤド密約」である。
では、なぜ、世界経済がアメリカ一国の経済に依存するようになってしまった1999年から2000年にかけて、いいかえれば世界経済がディスインフレなのにもかかわらず、「石油」価格は3倍にも上昇したのであろうか。
これこそ共和党が、2000年の大統領選挙に大きな手答えを得たので、新政権発足前に、「政権スタート後の外交の下地作り」に、早々と乗り出したからである。
常識的に考えて、つじつまが合わない現象に出くわしたら、「仮説」を立てて思考のシミュレーションをするに限る。
「世界的ディスインフレ下での石油3倍化」を解く「仮説」として、2000年の大統領選挙に勝つであろうと確信した共和党が「B新政権発足前に、新政権スタート後に向けた外交の下地作り」にとりかかった、とシミュレーションしたのである。
この「仮説」をもちいると、「世界的ディスインフレ下での石油3倍化」には、国内経済と外交の2面からの「新政権発足後への戦略的くさび」の狙いが秘められていることが見えてくる。
まず、アメリカの国内経済という視点からは、現在の「ニューエコノミー」的な経済成長を腰くだけにさせないように、オールドエコノミーが中核となっている実体経済の基盤である「石油」の「量」と「価格」を、確実にコントロールするために、サウジアラビアとの「特殊な関係」をより堅固なものにしようとの狙いがあった。
これは「独り勝ち経済」を今後持続させるためには、絶対に必要なことである。
サウジアラビアは数年前から、国家財政は赤字が続いていた。
にもかかわらず、サウジアラビアは、「石油の低価格での安定供給」を継続してきた。
このサウジアラビアの「石油の出血輸出」が、アメリカの「ニューエコノミー」の陰の立役者であったのだ。
しかし、対米協力とはいっても、いつまでも財政赤字は続けられない。
こんどはアメリカが、サウジアラビアの長年の協力にたいして、その恩義にむくいるときが来たのだ。
何らかの方法で、サウジアラビアの財政赤字の補填策を講じる必要に迫られてきたのである。
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